異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
「メグミは後片付けから外す。部屋へ戻ってもう寝ろ」
「でも、厨房を」
大広間の片づけは、侍従や給仕や下女中も合せた大人数で行なう。厨房は料理人がやることになっている。
「昨日はほとんど寝ていないのだろう? 無理はするな。見ろ、片づけができない者は休ませるしかない。お前もな。ふらついている者は邪魔だ」
戦場のようだった厨房の隅には、座り込んだ者までいる。これでは片付けの邪魔になってしまうから、もう休めと言われるのも当然だった。何もない床で躓きそうなメグミも、掃除の邪魔になる。
メグミは最後に、ベルガモットが持ってきてくれたワイングラスを彼とカチンと合わせて、その夜の終了を祝った。一気に飲んでしまえば頭の中が焼け付いて、もはや眠るしかない。
「お先に失礼します。おやすみなさい」
たどたどしくなんとか言い終えると、メグミはふらふらになって部屋へ戻った。
ベルガモットが今までになく彼女を優しげに見ていたのは気付いていない。
「でも、厨房を」
大広間の片づけは、侍従や給仕や下女中も合せた大人数で行なう。厨房は料理人がやることになっている。
「昨日はほとんど寝ていないのだろう? 無理はするな。見ろ、片づけができない者は休ませるしかない。お前もな。ふらついている者は邪魔だ」
戦場のようだった厨房の隅には、座り込んだ者までいる。これでは片付けの邪魔になってしまうから、もう休めと言われるのも当然だった。何もない床で躓きそうなメグミも、掃除の邪魔になる。
メグミは最後に、ベルガモットが持ってきてくれたワイングラスを彼とカチンと合わせて、その夜の終了を祝った。一気に飲んでしまえば頭の中が焼け付いて、もはや眠るしかない。
「お先に失礼します。おやすみなさい」
たどたどしくなんとか言い終えると、メグミはふらふらになって部屋へ戻った。
ベルガモットが今までになく彼女を優しげに見ていたのは気付いていない。