異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
ばたんっとベッドに倒れ込むと、そこへローズベルがやって来る。メグミは沈没寸前だったが、彼女には助けてもらったという気持ちがあるので、なんとか瞼を持ち上げて見上げる。身体は、どれだけ叱咤しても起き上がらなかった。
「大広間では、ありがとう、ございました」
「覗いていたわね。知っているわよ。おいしかったから、そう言っただけ。ねぇ、メグミ。粒あんを使ったお菓子って他にないの? もっと食べたいわ」
「ありま……す」
メグミは掠れた声で答える。ローズベルは豆大福も食べているはずなのにと考えつつ、やがて瞼も閉じてしまった。
「メグミ? 寝ちゃったの? ね、栗羊羹を最初に食べたのは私じゃないのよ。陛下が最初なの。これは小豆からできたあんこが原料ですって言われて、大広間へ入場されてすぐにご自分で皿に載せて、大きくお口を開けて食べられたのよ」
「…………」
眠りながらでも音は耳に入る。コンラートも食べてくれたというのは分かった。
「大広間では、ありがとう、ございました」
「覗いていたわね。知っているわよ。おいしかったから、そう言っただけ。ねぇ、メグミ。粒あんを使ったお菓子って他にないの? もっと食べたいわ」
「ありま……す」
メグミは掠れた声で答える。ローズベルは豆大福も食べているはずなのにと考えつつ、やがて瞼も閉じてしまった。
「メグミ? 寝ちゃったの? ね、栗羊羹を最初に食べたのは私じゃないのよ。陛下が最初なの。これは小豆からできたあんこが原料ですって言われて、大広間へ入場されてすぐにご自分で皿に載せて、大きくお口を開けて食べられたのよ」
「…………」
眠りながらでも音は耳に入る。コンラートも食べてくれたというのは分かった。