異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
「寒くなって来たのか? マントを羽織らせてやる」

「自分で――」

手を浮かせたら、隣に座る彼に肩を掴まれて引き寄せられた。彼女の手はすとんっと膝の上に落ちる。コンラートはベンチの背もたれに掛けていたマントを取って、彼女と、そして彼もいっしょにして羽織る。

二人でマントの中に入った感じになった。

――……温かい。

コンラートとくっついているところが特に温まってきた。

「メグ……。俺は……お前のことが」

――温かいな……。
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