異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
ぐらんぐらんとしながら、彼の首の付け根にぐるりと自分の腕を回され手首を前へ持って来られたメグミは、コンラートの首元にこてりと頭をくっつけてまた目を閉じた。無防備な様子が可愛い。
彼は、腕だけを出した状態でマントに包まれた彼女の背中と膝の裏に腕を入れて抱き上げた。軽そうなドレスでも裾には大量の布があり、コンラートがメグミを横抱きにして立つと棚引くほどだ。それでも、想像以上に軽い。
――メグミ自身が軽いんだな。ちゃんと食べているのか?
あとでベルガモットに確かめようと心に決める。
この重量なら、庭を突っ切って城の屋内まで運ぶのも容易い。黒獣王の二つ名に反しないよう普段から身体を鍛えてきたが、こういう時にも役に立つ。
首の辺りからメグミの寝息が聞こえるので恐ろしく情感が高まるが、寒くなって来たし、先ほどくしゃみをしていたから早くベッドへ運んだ方がいいだろう。
――外で愛の囁きをするには、冬は不向きだったな。
ふたりで温まればいいと思ったのは、ただの妄想だった。
彼は、腕だけを出した状態でマントに包まれた彼女の背中と膝の裏に腕を入れて抱き上げた。軽そうなドレスでも裾には大量の布があり、コンラートがメグミを横抱きにして立つと棚引くほどだ。それでも、想像以上に軽い。
――メグミ自身が軽いんだな。ちゃんと食べているのか?
あとでベルガモットに確かめようと心に決める。
この重量なら、庭を突っ切って城の屋内まで運ぶのも容易い。黒獣王の二つ名に反しないよう普段から身体を鍛えてきたが、こういう時にも役に立つ。
首の辺りからメグミの寝息が聞こえるので恐ろしく情感が高まるが、寒くなって来たし、先ほどくしゃみをしていたから早くベッドへ運んだ方がいいだろう。
――外で愛の囁きをするには、冬は不向きだったな。
ふたりで温まればいいと思ったのは、ただの妄想だった。