異世界にトリップしたら、黒獣王の専属菓子職人になりました
朝は必ずやって来る。
メグミはコンラートに横抱きにされて部屋へ戻ってきたのをおぼろげに思い出し、ベッドの上をごろんごろんと転がる。恥ずかしい。まるで子供だ。しかも相手は国王陛下ではないか。
――何を話していたんだっけ。和菓子のこと? 小豆に名前を付けるとか?
すべて思い出せなくて、ものすごく不安になった。
――大事なことを聞きそびれていたりして……。
抱っこされて、の一点がものすごく衝撃的で、他のことは霞んでしまっていた。
――そのうち思い出せたらいいんだけど。
メグミは、ジリンのところでドレスを脱がしてもらったことも、そのあとコンラートが部屋まで彼女を運んだことも覚えていなかった。
――ほかのこと、ほかになにか。……あんこの作り方を教えるんだったかしら。
結局、思い出したのは和菓子に関することばかりだった。
メグミはコンラートに横抱きにされて部屋へ戻ってきたのをおぼろげに思い出し、ベッドの上をごろんごろんと転がる。恥ずかしい。まるで子供だ。しかも相手は国王陛下ではないか。
――何を話していたんだっけ。和菓子のこと? 小豆に名前を付けるとか?
すべて思い出せなくて、ものすごく不安になった。
――大事なことを聞きそびれていたりして……。
抱っこされて、の一点がものすごく衝撃的で、他のことは霞んでしまっていた。
――そのうち思い出せたらいいんだけど。
メグミは、ジリンのところでドレスを脱がしてもらったことも、そのあとコンラートが部屋まで彼女を運んだことも覚えていなかった。
――ほかのこと、ほかになにか。……あんこの作り方を教えるんだったかしら。
結局、思い出したのは和菓子に関することばかりだった。