消えないで、媚薬。
「何で……こんなに可愛いんだよ」
その瞳で言わないで……
恥ずかしいけど嬉しくて泣きそう……
こんなストレートに言われたことがないから免疫がない。
顔が熱くなる。
「すぐ真っ赤になるとこもめちゃくちゃタイプ…」
目線の高さを同じにして両手ついてくる。
真っすぐ見つめられて頭パンクしそう…!
「大胆な香帆さんも好きだけど今みたいな香帆さんは一番好きかも……ていうか全部がツボなんだけど?」
どうしよう……
次の言葉が出てこない……
目線逸らすのがやっとだ。
完全に彼のペース。
もう近付かないように腕を押さえる。
ようやく息も整ってきて………
「今のが……ご褒美ね?だからこれでおしまい」
もう一度ケトルのスイッチを押してコーヒーの用意をする。
「ハーイ」と部屋に戻って行ったからホッと胸を撫で下ろした。
そんな休息も束の間。
腰を降ろしたら速攻隣に座られて手を握られる。
思わず離れて距離を取っても意味なし。
「これ、ハンドクリーム?」
「え、うん……そうだけど?」
近くに置いていたハンドクリームを手に取り「塗ってあげる〜」と言ってきた。
「ちょ、ちょっと待って…!」
その塗り方……!?
クリームを手に取り私の後ろから指を絡めてくる。
吐息も首にかかるしまたヤバイ状態。
「やめて…」
両手が絡んで心臓が爆発しそう……
「こうして塗ったら俺も潤うじゃん?」
「だからって…」
「恥ずかしい?香帆さん可愛い」
「お願いだから…離して?」
「ヤダ…」
「ちょっと…」
「じゃあ慶太って呼んでくれたら離してあげる」