消えないで、媚薬。
「えっ!?この前の彼、高校生だったの!?」
「シッ!声がデカいよ!さとみ」
「あぁ、ごめん……てかマジなの?」
「うん……ヤバイよね」
あの合コン以来初めてさとみと会う。
たまにこうしてご飯食べながら近況報告し合っているのだ。
あまりにも衝撃的な事実に思わず笑っちゃってるさとみ。
小さな声で会話が続く。
「でも最後までヤッちゃったんでしょ?」
「最中の記憶はないんだけど、ほぼクロ……」
「で、偶然にも再会しちゃって告白されたと?」
「うん……」
「それ、おかしくない?」
「えっ!?やっぱり…?」
「たった一夜の関係で付き合おうってなるかね?私には分からん…」
「ごもっとも……」
「彼、何か要求してきてない?お金とか金目のモノ」
「いや、それはない」
「もしかしたらそろそろ要求してくるかもよ?だって最中の記憶ないんでしょ?写真だって証拠として撮られてるかもしれないし」
「しゃ、写真…!?」
「そう、裸で寝てるマヌケな写真。それで強請ってくるかもよ?ネットにバラまかれたくなかったら〜みたいな」
目の前が真っ暗闇に包まれる。
う、嘘でしょ……
まさか……ううん、そんなはずない。
彼がそんなことする訳ない。
「例えばの話よ?世の中良い人ばかりじゃないから、最悪のケースを考えただけ。実際はそんな可能性は低いんでしょ?」
「うん……今のところは。要求ったって……」
「え?やっぱり要求はされてるの?」
「いや、違っ…!」
「なに顔赤くなってんのよ?要求されてんなら正直に言いなさいってば」