消えないで、媚薬。
「だったら女の顔になってるのも無意識なんだね?尚更たちが悪い…」
「な、何よ…分かったようなこと言わないで」
「分かるよ、ずっと香帆さんのこと見てるから」
「だから見ないで…!」
「ちゃんと約束してくれたらね?」
「約束も何も、そういうことにはならないから」
「俺がこうやって迫っただけでも身動き取れてないのに…?他の男に同じことされてもちゃんと守れんの?」
「え……?」
そのまま床に押し倒されてしまう。
見下された私が男の力に勝てる訳もなく……
「お酒入ってて男がこうしてきたら、絶対下心剥き出しになるからね?どんな手使ってでも抱きたいって本能だから」
「は、はい……ごめんなさい」
って何で謝るんだ?
勝手な思い込みよね?
手を掴まれて起こしてくれる。
「結果、隙だらけな香帆さんってこと」って言われる始末。
年下に言われても言い返せない。
「ねぇ、すぐにキス出来るのは何で?」
「え?」
顔を上げたらもう遅かった。
腰に回る手が軽く私を引き寄せる。
彼の言う通り、簡単にキスされてる状況。
でもそれは………
「ほら、すぐそんな顔する……」
ほんの一瞬なのに……もう欲しくなってる。
「だからほっとけないんだ…」ってまたキスしてくれるから待ってしまう。
身体の芯までとろけそう……
唇が離れて見つめ合ったら、
こっちも仕掛けてしまうの。
「それは相手が慶太だから……」
自分でも驚くほどに甘い声出しちゃってる……
煽ってるって分かってて翻弄する私はもうすでに底なし沼に居るのかも……
それでも悪あがきして「ごめん」と謝り困らせる。