消えないで、媚薬。
「じゃあ、応えてあげるからちゃんと覚えててね?」
「ん……」
とは言っても今の時田くんのキスで腰砕けちゃっててポ〜っと見上げてしまってるんだけど。
また煽ってるなんて言われないようにはっきり言わなきゃ。
「私……時田くんのこと……嫌いになりたくない。だから、もう……こんなキスしないで?」
そう言ったら時田くんの頬がピクッと痙攣した。
「次の同窓会も、その次の同窓会も……お互いが気持ち良く参加出来るようにしたいと思わない?」
思いがけないキスに抵抗出来なかった不甲斐ない自分にも腹が立つ。
シラフのくせに。
慶太が一番不安がってた事態になっちゃってるじゃん。
それなのに、最低なことしたのに今は慶太が浮かんで仕方ない。
「泣いてる?そんなに嫌だった?」
「泣いてない……でもごめん。私、好きな人いるから」
ちゃんと目を見てもう一度「ごめんね」と言ったら、力ない「分かった」が返ってきた。
その場に時田くんを置いて立ち去る。
外には皆が待っていてくれたけど顔を見た途端さとみだけが分かってくれた。
「皆、先行っててー!」と散らしてくれる。
「時田のことフッてきた?」って全てお見通し。
さとみは全部知ってたみたい。
時田くんの気持ち知っててセッティングしたし、新しい恋愛が出来たら高校生くんとも距離を置けるようになるのかな〜?と思ってたらしい。
「完全に裏目に出たみたいだね?その顔じゃ逆に気付くハメになったか…」
ヨシヨシする手が優し過ぎて涙が止まらなくなった。
「さとみ〜!何でいつもいつも透視しちゃうの!?エスパーなの!?」
「ハハハ!香帆が分かりやすいだけだから」
「うっ…!何気にショック…」
「時田も相当ヘコんでるんだろうな〜?」
「さとみ、ごめん。私、帰るね?」
「分かってる。時田のことは任せて。二次会引っ張ってくわ」