消えないで、媚薬。



お仕置き…!?
な、なにされるの!?
まさか……腕とか縛られて何されても動くな、とか!?
あるいは目隠しされて弄ばれる、とか!?
どうしよう…!!
若い子の考えることなんか想像出来ない…!!




「香帆さんからキスして」




「へ…!?キス!?」




わ、声上擦っちゃってる…!ダサっ!
あれ、膨れっ面…?拗ねてる…?




「だっていつも俺からじゃん?たまに自信なくす…今日みたいなことあったら冷静で居られないしフレとか言う割にキス出来なくなるのイヤって矛盾し過ぎだろ……だったら香帆さんから意思表示してよ、香帆さんの気持ち確かめたい」





嗚呼……穴があったら入りたい。
真っ当な意見だよ……矛盾だらけだよね。
それで不安だけを与えて……
私何やってんだろう。




この瞳もこの唇もいつの間にか離れられなくなってるなんて……
迷わず選んでしまうってどうかしてる。
突然のキスも本当は嫌じゃなかった。
恥ずかしいけど抑えきれなくなったのかなって内心嬉しくもあった。
ブレーキ踏み続けて壊れちゃったのかな。




座ったままの慶太。
肩に触れて少し近付いて視線を合わす。
私……からの意思表示……?
好きか……嫌いか……?
触れたいのか……そうでないのか……?
今だけ忘れちゃう……?




歳の差とか……しがらみ全部。
取っ払っていいっていうこと……!?
追い払うよ?いい……?




見つめ合う二人。
好き………好きだけど。




「目…閉じて?」




「キスする顔見たい」




「え、恥ずかしいよ……」




「だからお仕置き、なんでしょ?」




うぅ……一枚ウワテだ………
お仕置きって……
される側が良い……なんて言えない。
自分からするとかとんだ羞恥だ。




意を決して両手で頬を包み込む。
いよいよだと意気込む私と無表情なキミ。
私のキスなんかでムラムラするとかあるのかな…?
あ…でも最初のキスで落ちたって言ってたけど………






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