消えないで、媚薬。
「こんな弱ってる時に俺……ごめん」
私を見る瞳も熱を帯びてる。
乱れた呼吸のまま見上げるしか出来なくて、それが返って欲情を刺激していたのならもう私に成す術はない。
どうしたってこうなっちゃうんだから。
なかなか離れない唇。
ベットの上に押さえつけれた手は固く指が絡まる。
い、息苦しい……
離れたかと思えば首筋に舌が這う。
「慶…太………ごめん……今日は無理……」
「分かってる……でも止まらねぇよ……こんな香帆さん……抑える方が無理」
ヤダ………身体に触れないで……?
熱で汗かいてる………
帰って来た途端倒れるように寝たから服そのままだ。
ブラウスのボタンを外していく器用な指。
鎖骨あたりに唇が触れて、徐々に降りていく。
「慶太………ダメ……」
あまり声も出ない無抵抗な身体。
ズルいよ……慶太。
こんな時に襲っちゃうの……?
バストに触れる一歩手前で顔を離した。
「危な……もう少しで弱ってる香帆さん襲っちゃうとこだった、ごめんね?」
良かった……理性、働いたみたい。
それより慶太……
「え?向こう向いとけばいいの?」
コクリと頷く。
あまり声が出ないから携帯を使っての会話。
(着替えるから絶対こっち向いちゃダメだよ?)
「了解」
ゆっくり身体を動かし服を脱いでいく。
家着のゆったりTシャツとホットパンツ。
肩をトントンしたら終わったの合図。
振り返ったキミに微笑み返す。
フラフラしながら洗濯カゴへ。
割れたグラス、ちゃんと片付けてくれていた。
お礼を言ったら抱き寄せられ首にキスされて「もう…!」と怒った。
あ、声出た……
ていうか、若干マシになってきた!?
身体はまだだる重いけど喉が使えるようになってきたのは有り難い。