消えないで、媚薬。



だって好きだもん………




どんなに非難されたってこの手を離したくない………




慶太が欲しい………





朦朧とする意識の中、愛しい手が服の中に触れてきたところで理性を取り戻す。




「慶太……お願い……ベット連れてって」




「うん……」




「あの……そういう意味じゃ…なくて」




「分かってる……ごめん」




「ベットで……寝たい」




「うん、捕まって?」




首に手を回したら軽々と持ち上げられた。
ゆっくりベットに寝かせられ冷えピタを貼られた。




「お粥……後でちゃんと食べるから」




「ラップしておくね」




行こうとする手を握る。




「慶太……めちゃくちゃにされるの、20歳になってからね?」




その日まで二人の関係がどうなっているかは分からない。
形のない約束。
守れる保証もない。
ううん、守らなくたっていい。
いつか他の誰かを好きになっても
決して責めないから。




「うん、その日は絶対…香帆さんのこと独占するからね?もう予約済だよ?」




「はい……だから今日はもう襲わないでね?」




「わ、分かった……」




まだ先の未来を口にして今を諦めさせる。
こんなやり方しか思い浮かばなくてごめんね。




優しく髪を撫でてくれる仕草が気持ち良くて、一瞬で眠りに落ちていった。
唇に感触を残したまま………












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