消えないで、媚薬。



他の周りの先生たちが気付いて駆けつけ嘔吐処理をしてくれる。
「サユミちゃん大丈夫ー?」
「カホ先生脱いだ方が…」
「まだ吐きそうだね」
「お母さんに連絡しますね、迎えに来てもらいましょう」





汚れたジャージの上着を脱いだら下は丸首の白いロングTシャツ。
他の先生がサユミちゃんを連れて行ってくれたからジャージの嘔吐物を水で流して袋に縛る。




「カホ先生……それヤバいかもよ?」




先輩保育士がニヤニヤしながら言ってくる。
首元を指差されてハッとした。
完全に忘れてた。
ジャージは一番上までファスナー締めてタートルネックっぽくしてたから大丈夫だと思ってたのに。
想定外なことが起きると頭飛んでしまう。




慌てて首に手を当て逃げ去る。
ロッカーに着替えに行きロングTシャツを脱いだ瞬間。
「カホ先生ジャージ大丈夫だった?良かったら何か貸そうか?」とまた別の先輩保育士が入ってきた。
ヤバっ……もう隠す物はない。




「わーお、カホ先生大胆…」




真正面からブラ姿をさらけ出してしまった。





「キスマーク…すごいね」





やっぱり見られてた……
恥ずかしくて背を向ける。
そのまま自分のロッカーにある服を探して居ると「背中もあちこち付いてる…」ってマジか!
タートルネックセーターを慌てて着た。




しかも見られたの、こういう話が大好きな先輩だよ〜!
今日一番ニヤニヤしてる。
パーカーを羽織ると案の定。




「やっぱり彼氏居たんじゃ〜ん!ていうか激しいね?もしかして全身?」




「いや…!そうでもないです…」
なんて意味不明な返し方。
思いきり動揺してんのバレバレだよ。
もう……慶太やり過ぎだよ。
背中はルール違反だってば。
結局こうなっちゃうじゃーん!!!






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