ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



俺の耳にもちゃんと届いたその声。
穏やかだけど、強くしなやかさまでも感じさせられるその声。

彼女のその声に俺は
どれだけ自分を救い上げられたのだろう?


彼女を傷つけて後悔してるのに
それでもなお
彼女に上手く関わってやれない俺なのにな・・・


しかも
自分の立場と彼女の立場を使って
彼女のココロを動かそうとする卑怯なマネをしているくせに

毅然とした態度で臨床心理士として俺と関わろうとするその姿勢に
寂しさを覚えてしまったぐらいだ

処方箋を出した医師としては
そんな寂しさなんて隠さなきゃいけないことぐらいわかっているのに




グイッツ!!!

バサッ!!!!!!!




『ナオ、、日詠先生?!』


それを隠し切れない情けなさ満載の俺は
彼女を背中から抱き寄せた。

その弾みで自分の腕の中に閉じ込めた伶菜の手の中から滑り落ちた医学雑誌。
それが彼女の手の中から消えたはずなのに、その手は宙に浮いたまま静止していて。
その手すら自分のほうへ引き寄せられずにはいられなかった。



ごめん
ちゃんと謝れなくて

ごめん
ちゃんと自分から言い訳してやれなくて

ごめん
傷つけて


ごめん
こんな状況なのに
お前の力を必要として



『他人から聞くな、ちゃんと俺から聞け。昨日あった出来事を。』


「・・・・・・」


『奥さんなんだから・・俺の。』



こんなダメな俺だけど
お前を
手放してなんかやれなくて

だからちゃんと聞け
全て話すから

だからちゃんと言え
全て受け止めるから




「・・・下さい。」


『・・・?』


< 170 / 367 >

この作品をシェア

pagetop