お前は、俺のもの。
エレベーターに乗り込み、十二階で降りた私たち。
鬼課長は自分の部屋の玄関に立つと、カードキーを差し込み「カチリ」と小さな音で解錠を知らせる。
「……」
男の子の部屋というのは、こういうものだったかな。
玄関には数足のスニーカーや革靴、しかもどれもブランド物がダダダッと並んでいる。てっきりシューズクロークには靴がいっぱいなのかと思いきや。
「俺は基本、面倒臭がりなんだ」
と、言いながらムスッとした顔で、開ければ何も入っていない空っぽのシューズクロークに靴を片付け始めた。
普段はワックスでセットされている黒髪も、今日は頭を傾けると揺れる。少し幼く見える顔が、初めて可愛いと思ってしまう。