お前は、俺のもの。
「今日は凪とデートする。俺は支度が済んだらゴミを運ぶから、凪は食器を洗って外出する準備をしておいてくれ」
「で、デート?」
と言われ、私は久しぶりに身に起こる「デート」の響きに一瞬酔いしれてしまった。
車での道のりは、世間は夏休みということもあり、渋滞に巻き込まれながらの目的地の到着となった。
遊園地、ホテル、アウトレットモールのある巨大リゾート地に降り立つ私たち。
家族、友達同士、カップル、みんなが楽しそうに目当ての場所へと向かっていく。
「夏休みだけあって、すごい人ですね」
「最近、あの巨大アトラクションができて話題を呼んでるし、プールもあるからな。ホテルのビュッフェランチも人気があり、温泉も有名らしい」
「……く、詳しいんですね」
仕事以外に関心がないと思い込んでいた鬼課長に、私は驚いた。
鬼課長は小さな咳を一つして、「ネットの受け売りだ」と呟いた。