お前は、俺のもの。
先日のロッカーの落書きのことも、凪と仲良しらしい清掃会社のおばさんから聞かされたのだ。
『凪ちゃんは虐められているのか』
あの時は腸が煮えくり返る思いで、総務部に乗り込んだ覚えがある。
犯人は分かっているだけに、仕返しを考えている。
「結局、俺は凪を守れていないことに、自分自身に腹を立てています。なのに、俺の強引さについてきただけのアイツに、俺が更に答えを急かしてしまった。だから頭を冷やしに来たんです」
「それでバタフライマシンか。お前らしいな」
と、笑う加瀬部長。
しかしその笑いも、直ぐに消える。
「いや、関口たちを怒らせた発端は、あのSNSの書き込みだろうな。彼らに少し反省してもらうつもりで、と思ったんだが。火に油を注いでしまったようだ」
「おかげで凪が攻撃を受けたじゃないですか」
「満島には申し訳ないと思っている。今の若いやつは考えていることがわからないな」
不機嫌な俺に、加瀬部長はお手上げポーズだ。
考え方次第では、彼のおかげで満島 凪に近づけた、ともいうべきか。