お前は、俺のもの。

唇の熱で溶かされた私。
頭が真っ白になって、とても神聖なものに感じた。

耳を甘噛みされ、首筋を吸い上げていく。
チリッと痛みを感じてはビクビクと体が反応して、未知の感覚が押し寄せてくる。
「…っ」
叫び声が出そうになるのを、我慢して唇を噛み締める。
鬼の指が、唇に触れた。
「噛むな。傷になる」
「…でもっ」
「防音効果のある壁だ。少しくらい声を出しても、聞こえない」
鬼はそう言って、鎖骨へとキスを落としていく。

バスローブの紐はいつの間にか解かれ、前身ごろは頼りなさそうに重なっているだけだ。
「凪」
彼は顔を上げて私を呼ぶ。
「んっ」
鬼の舌が私の唇を舐めていく。キスの恥ずかしさに耐えきれず、口を少し開けた。
鬼の舌が唇を割って入ってくる。
「?!」
口の中で歯列をなぞっていく熱い舌に、頭がくらくらしてきた。
鬼の腕にしがみつくのがやっとで、唇が離れたときにはお互いの舌が糸を引く。飲み込みきれない唾液が、口の端から零れ落ちる。

「はぁ…はぁ…」
息が上がる私に、クスッと笑う鬼。
「めっちゃ色っぽい。ディープキスは、初めて?」
「は、初めてじゃない…けど、ここまでスゴいのは…」
私は小さく首を横に振った。
鬼の嬉しそうな声がした。
「じゃあ、「ここまでスゴいキス」の初めては、俺のもの」

お互いの肌が触れる部分が熱い。

そして、とうとう気づかれてしまった。

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