お前は、俺のもの。

「俺とお前、互いに知らないことが多すぎる。だが、相手がお前だから許せることもある」

鬼に再び寝かされ「仕切り直しだ」と言って、ピンク色に染まる世界へ連れ込まれる。
「綺麗だ」と刺激を与えられる度に発する、自分じゃないみたいな、自分の「女」の声。
鬼の手が私の体の隅々まで触れていく気持ち良さに、つい酔わされてしまう。

「ん…もっと」
「オネダリするお前も、悪くない」
鬼の甘い牙は、私を狂わせる。

「凪、俺の背中に手を回せ。できるだけ優しくする。痛かったら、ちゃんと言え」
私を見下ろす鬼に「うん」と頷いて、彼の背中に両手を回す。
緊張する。
「俺をしっかり見ろ」
「うん…」
不安はある。でも、鬼が一緒なら怖くない。
「凪、力を抜け」
もう、既に苦しい。
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