お前は、俺のもの。
──どう言ったら、理解してくれるのだろう。
「こんな部下を持つ加瀬部長も大変だよな」
「一ノ瀬課長…」
見上げて呟く私。
鬼課長は私の隣に立ち腕を組み、冷ややかな目で軽くため息を吐く。
河野くんは「ですよね!」と大きく相槌を打った。
「一ノ瀬課長もやり過ぎだと思いますよね。予定があるのに仕事が終わらなかったのは、仕方ないことですよね」
そう言って納得して頷いている。
しかし鬼課長の冷たい視線は、ジロリと河野くんへ向けられた。
「大変な部下というのはお前のことだ、河野」
その場のみんなが声のする方へ顔を向けた。
眉間にシワを寄せ不機嫌な顔をする加瀬部長の横に、両手にたくさんの書類やファイルを抱えて赤い目をして泣きそうになっている由奈が、俯き加減に立っていた。
「俺って、どういう意味ですか。部長?」
河野くんがムッと口を尖らせる。