お前は、俺のもの。
査問委員会の部屋の中に、少し違うオーラを放つ川添穂香。
白のコットンシャツにダークグレーのスーツという目立つ格好をしていないのに、ハッキリした顔立ちのせいか「華」があるように見える。
彼女は名乗ることもなく、黙ったまま俯き加減にじっと一点を見つめていた。その顔は少し口角を上げて微笑んでいるようだったらしい。
鬼課長が名前や所属部署を質問をしても、何も答えない。
そして小さなため息を吐いて、
「川添さんは応答を拒否しているようなので、彼女が市村係長を含めて何のために、何をしたのかお話したいと思います」
と、周りの役職者の表情を伺う。
「俺は昨夜、市村係長に会いました。そして今回の件で「彼の真相」として話を聞いてきました。川添さんはこんな態度ですが、多分耳はしっかりと聞いていると思いますので、「彼の真相」の内容が違えば何らかのアクションがあると思います」
鬼課長はそう前置きをして、市村係長から聞いた事の全貌を話し始めた。