お前は、俺のもの。
彼はそう言って立ち上がる。私も見送ろうと腰を上げた。
襖を開けようとした、その時。
彼の長い指が、私の手に触れた。
少しひんやりとした指先に、私の心臓が「ドクン」と大きく反応した。
私の目は、鬼課長をしっかり見ている。彼の視線も私を捉えている。
でも。
意識は、彼の指が触れている手に全て持っていかれてしまっている。
「言っておく」
その声に、ハッと気持ちが切り替わる。
「俺は、お前を信用する。だから、お前も俺を信用して欲しい」
少し細めた綺麗な両目が私の視線と絡まったまま、胸がドキドキと小さな音を叩き続けた。
まるで、今まで隠していた感情のドアを叩いているようだった……。