お前は、俺のもの。
「満島。モデルルームの空間デザインが出来た。これが見取り図で、うちの商品を使った家具や照明を記入しておいた」
マンションのリノベーションとは、一ノ瀬不動産が主催するマンション販売のモデルルームのことだったらしい。
隣の鬼課長に呼ばれて、私は彼の広げた図面を覗き込んだ。
「3LDKの間取り、広いですね。ファミリータイプのモデルルームなんですね」
と、私は少しワクワクしながら設置する家具の品番や品名をぐるりと見回す。
鬼課長がじっと私を見ていることに気づく。
「…そうか。ファミリータイプという視点はなかったな…」
その呟きに、私も「え?」と鬼課長に目を丸くした。
「だって3LDK、ですよね?一人暮しには広すぎるし、ご夫婦の二人暮しでも部屋が余ると思いませんか?LDK以外は夫婦の寝室と子供部屋と来客用の和室、もしくはお子さんが二人なら二人目の子供部屋でもいいですよね」
と、生意気にも自分の意見を言ってしまった後で、「すみません、独り言だと思ってください」と付け足した。