お前は、俺のもの。

「今日はこの他に午前中に河野さんの資料作りを手伝っていました。「二人の方が早く終わるから」と言われて」
「そうなのね。じゃあ、作業の終わったものだけ、付箋を剥がしてくれる?」
と、私の言うことに、由奈は付箋を剥がしていく。

「……」
隣に立つ綾乃が唖然としている。きっと、私も同じ顔をしていると思った。
仮に午前中いっぱい河野くんの手伝いをしても、午後から十八時の現在までの間に十件のカタログ送付と見積書三件の業務内容というのは、「給料泥棒」と言われても文句が言えないレベルである。
パソコンの画面に貼られた、数枚の付箋紙を見る。月締め売上集計、見積書五件、取引先とお客様へのお盆の営業時間と休業の案内の書類作成。

仕方がない。三人で手分けして終わらせるしかない。

「由奈ちゃんは見積書をできるところまで終わらせて。みんなで手分けしよう」
と、私の言葉に由奈は「わかりました」とポツリと返事をして見積書を入力し始めた。
そして綾乃には時間の許す限りで由奈の見積書を引き継いで欲しい、とお願いした。
そして私は、以前自分の仕事だった売上のデータ入力と月締め売上集計を行うことにしたのだった…。

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