お前は、俺のもの。
就業時刻を過ぎた頃、私は鬼課長と一緒に営業部へ続く廊下を歩いていた。私は鬼課長の二歩ほど後ろを歩く。すると、事務所のドアが開いて、ちょうど由奈と小堺るみが出てきた。
小堺るみが「一ノ瀬課長」と声をかけた。由奈も「お疲れ様です」と頭を下げる。
「今、営業企画の仕事が落ち着いているので、課長の仕事もサポートできますよ。その人から仕事の引き継ぎをしていいですよね?それからカフェのレセプションパーティーのご案内のFAXが届いていました。参加は課長と私の名前で大丈夫ですね?」
小堺るみの質問に、鬼課長は「いや」と首を横に振る。
「俺のサポートは今のまま満島でいく。レセプションパーティーはまだ予定に入れてないから、名前は空欄のまま満島の横のデスクに置いてくれ」
小堺るみの目の色が変わった。
「何故、営業企画でないその人が課長のサポートをするのか、私は未だ納得できません。第一、何もかも一からその人に教えることになるんですよ。仕事の勝手がわかる私の方が段取りがいいはずです」
「小堺の言いたいことはわかる。だが、今は満島でいい」
「それに今までのイベント参加は私が同席していたじゃないですか。今回だって同じでいいじゃないですか!」