Bloody wolf
雨が降って流れてしまえと思った体育祭は、日本晴れになった。
この梅雨シーズンにここまで晴れるとは、神様が敵に回ったとしか思えない。
晴れ渡る空、薄雲が少し流れていて、太陽はすでにじりじりと地面を照らしていた。
嫌々ながらも体操着に着替えて、手渡されたチームのハチマキを輪にして首に引っ掻けた。
ヤル気ないのが丸分かりだと千里に言われたが、本当の事なので仕方ない。
広い運動場に全校生徒が整列する。
壇上に立つ校長の挨拶が長すぎて、既にやる気メーターはゼロだ。
ざわざわしながらも、開会宣言を待つ生徒達がどことなくワクワクしてるのをぼんやりと見つめる。
長かった校長の話が終わると、待ってましたとばかりに生徒会長が登場する。
彼はなかなかのイケメンで、同級生や下級生からも人気だ。
そのせいか、彼の姿を見たとたんにあちらこちらで黄色い悲鳴が上がった。
それを軽く諌めながらも、彼は流暢な言葉運びで開会宣言をした。
晴成達が現れたら、こんなの比じゃないぐらいの悲鳴がこだましそうだ。
はぁ・・・面倒くさ。
いつのタイミングで現れるのかは聞いてない。
私の参加する綱引きが始まるまでには来るだろうと思う。
綱引きはプログラムの7番目。
お昼直後の開始だ。
午前中は静かに過ごせそうかも。
束の間の休息を味わっておこう。
生徒会長の「解散」の声に、各クラスの体育委員が動き出す。
「赤のハチマキの5組のテントはこっちです」
男女の体育委員のうち、男子の方がクラスメートに声をかける。
ぞろぞろとその誘導に歩き出したクラスメートに混じって席へと向かう。
青、赤、黄、緑、白の三チームに組分けされたクラスが、1年から3年まで同じ席になるらしい。
どこが勝っても正直どうでもいい。
ヤル気満々の生徒達を見ても、こんなに盛り上がれる事が不思議で仕方なかった。
たかが体育祭、されど体育祭ってところなんだろうか。
「篠宮さん、今日は頑張ろうね」
スポーツ少年の及川君はテンションマックスだ。
「別に」
どうでもいい、と続く言葉は飲み込む。
さすがの私も空気が読めない訳じゃないから。
この梅雨シーズンにここまで晴れるとは、神様が敵に回ったとしか思えない。
晴れ渡る空、薄雲が少し流れていて、太陽はすでにじりじりと地面を照らしていた。
嫌々ながらも体操着に着替えて、手渡されたチームのハチマキを輪にして首に引っ掻けた。
ヤル気ないのが丸分かりだと千里に言われたが、本当の事なので仕方ない。
広い運動場に全校生徒が整列する。
壇上に立つ校長の挨拶が長すぎて、既にやる気メーターはゼロだ。
ざわざわしながらも、開会宣言を待つ生徒達がどことなくワクワクしてるのをぼんやりと見つめる。
長かった校長の話が終わると、待ってましたとばかりに生徒会長が登場する。
彼はなかなかのイケメンで、同級生や下級生からも人気だ。
そのせいか、彼の姿を見たとたんにあちらこちらで黄色い悲鳴が上がった。
それを軽く諌めながらも、彼は流暢な言葉運びで開会宣言をした。
晴成達が現れたら、こんなの比じゃないぐらいの悲鳴がこだましそうだ。
はぁ・・・面倒くさ。
いつのタイミングで現れるのかは聞いてない。
私の参加する綱引きが始まるまでには来るだろうと思う。
綱引きはプログラムの7番目。
お昼直後の開始だ。
午前中は静かに過ごせそうかも。
束の間の休息を味わっておこう。
生徒会長の「解散」の声に、各クラスの体育委員が動き出す。
「赤のハチマキの5組のテントはこっちです」
男女の体育委員のうち、男子の方がクラスメートに声をかける。
ぞろぞろとその誘導に歩き出したクラスメートに混じって席へと向かう。
青、赤、黄、緑、白の三チームに組分けされたクラスが、1年から3年まで同じ席になるらしい。
どこが勝っても正直どうでもいい。
ヤル気満々の生徒達を見ても、こんなに盛り上がれる事が不思議で仕方なかった。
たかが体育祭、されど体育祭ってところなんだろうか。
「篠宮さん、今日は頑張ろうね」
スポーツ少年の及川君はテンションマックスだ。
「別に」
どうでもいい、と続く言葉は飲み込む。
さすがの私も空気が読めない訳じゃないから。