いつか、きっと。
…………………なんて?

いま、なんて言ったの、未来。

未来が唐突に放った言葉の意味を理解できずに、石のように固まってしまった。

「ちょっと、聞いてた!?だからね、私と御子柴くん付き合うことになったの。だから別にいいでしょ、抱きつくくらい」

「付き合うって!未来には田代先輩がいるじゃないの。それに友也は?友也から何も聞いてないよ。作戦だなんて言っておいて、そんなの裏切りだよ!」

ここがファミレスだとか、周りの人から好奇の目で見られてるとか、そんなことを考えてる余裕なんてなかった。

どうしちゃったの未来。

展開が急すぎてついていけないよ……。

「そんなに興奮しないでよ。だから最初は電話で話したかったのに。私がテツくんとの関係を続けるべきか悩んでいたの明日美だって知ってたじゃない。それに、御子柴くんと明日美って本物の恋人同士じゃないんでしょ?すっかり騙されてた。先に私を裏切っていたのは明日美の方だよ。……違う?」

なんで、私と友也の関係が本物ではないってことを未来が……!?

友也が喋ってしまったとしか考えられないけど。

どうしてそんなトップシークレットな秘密を喋ってしまったんだろう?

「ずっと私の事を騙していたのね。しかもその嘘のきっかけが、私とテツくんが付き合うように仕向けるためだったなんて……。私だけじゃなくテツくんも騙して。親友だとか言いながら、よくもそんなことできたよね」

「嘘ついてたことは、悪かったと思ってる。本当にごめんなさい……。でも、未来は田代先輩から付き合いたいって言われてたのに、なかなかOKしなかったんでしょ?私のことを気にして。だから私たちが付き合ってることにすれば、未来も田代先輩と付き合うんじゃないかって……友也が。未来が先輩のこと好きなのに、私のせいで付き合わないなんて。だから未来の背中を押してあげられたならって思ったの。その気持ちに嘘はないよ。信じて、未来」

「でも、偽りだったんだよね。どうして"フリ"だったの?」

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