いつか、きっと。
「御子柴くんからは?言われたことあるの……好きだって」

「それも…………ないよ」

なんでこんなことを未来に言わなきゃいけないの?

私が一番知られたくなかったことなのに。

未来は一体何がしたいの……。

「ああそう。本当におままごとみたいな恋人ごっこだったって訳ね。じゃあ、私と御子柴くんが付き合ってもなんの問題もないでしょ。偽りの関係なんてね、いつかは終わるものよ。それが今だった、ただそれだけのこと。明日美と御子柴くんは親友に戻ったっていうたけ。何か文句ある?」

文句っていうか、言いたいことが山ほどありすぎて……。

気持ちの整理ができない。

でもこれだけは聞かなきゃ。

「付き合うってことは、未来は友也のことを好きになったってこと?好きじゃなきゃ付き合ったりせんよね。友也は未来の好きなタイプとは違うと思っとったけど。それに先輩とは別れるつもりでおると?嫌いになった訳じゃなかとやろ……。絶対後悔するって!」

未来の目が一瞬、泳いだように見えた。

やっぱりまだ田代先輩と別れたくないんじゃないのかな。

なんだか今の未来は無理しているように感じるんだけど、何がそうさせているんだろう。

冷静さを装っているけど、今日の未来はいつもとは違う気がする。

「私とテツくんの付き合いに関しては明日美には関係なかけん放っといてよ。だいたいテツくんは最初、明日美のことばえらく気に入っとったらしかたい。明日美は誰からでも気に入られてよかね。私が御子柴くんのこと好きかって?まあイケメンじゃなかけど、優しかし頼りになるよね。テツくんと違ってずっと長崎で先生ば続けるとやろうし。付き合ううちにだんだん好きになっていくともよかかなって思うし」

てことは、今はまだそんなに好きにはなってないんだよね。

やっぱり無理してるよ、未来。

「未来が一緒におりたかとは本当は田代先輩やろ。だって私はずっと未来のことば見てきたけん、そんくらい分かるよ」

「嘘っ!なんも知らんくせに!」

< 197 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop