いつか、きっと。
未来の目に涙が浮かび、ゆらゆらと揺れている。

まだ私のことを睨み付けたままのその目には失望の色が見えた。

「……言えるわけなかやろう?明日美が転校してから、仲良かった他の友達とはだんだん上手くいかんごとなった。でもそれは明日美のせいじゃなかって自分に言い聞かせて、努力したつもり。けどいつも空回りしてばかりやった。中学に行ってからは、先輩からも呼び出されたりして……。たまに電話で明日美と話すことが私の心の支えやったと。本当は打ち明けたかったけど、そしたら明日美のこと責めるみたいやし、明日美にまで辛い思いはさせとうなかったけん……言えんかった」

話しながら、堪えきれなくなったように涙がポロポロと零れ落ち、頬を伝って流れていく。

私はその涙から目を逸らせなかった。

未来は自分が辛かったことを隠し、私を責めることもなく、中学生の間ずっと耐え続けてきたのだと知った。

私は何も知らず、のうのうと中学生活を楽しんできたのだ。

罪の意識さえ持たずに……。

「未来が辛い目に遭ってたなんて知りもせずに今の今まで過ごしてきたとね私……」

私が充実した中学生活を送ることができたのは、未来のお陰でもあったんだ。

未来がいじめに遭ってるなんて知ったら、私は一体どうしていたのだろう。

何も役には立てなかったかもしれない。

でも未来と一緒に悩んだり、解決法を考えたり、相談に乗ることくらいは出来たはずだ。

親友だったら、電話で話してるときに元気がないとか様子が変だとか、何か気付くことくらい出来てもよかったんじゃないの?

私なんて、未来の親友失格だ。

未来のこと何でも分かっているつもりでいたなんて、勘違いも甚だしい。

「ごめんね未来。今更謝ってもどうしようもないかも知れんけど、未来が苦しんでいたことば知ろうともせんかったこと後悔しとる。私に出来る償いがあれば、何でもするよ。なにかないかな?教えて、未来」

私の謝罪を黙って聞いていた未来だったけど、頬の涙をハンカチで拭き取ってから私に向かって言葉を投げた。

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