いつか、きっと。
アミュプラザの二階にあるアクセサリー屋さんへ向かった。

このお店は唯子さんのお気に入りらしい。

唯子さんは今は福岡に住んでいるから、同じお店があっちにもあるのかも。



瀬名くんが『勝負をかける』と言ってるくらいだから、狙っているのは多分……。



「お客様、指輪をお探しでしょうか?」



私が指輪のショーケースを眺めていたから、店員さんから声をかけられた。



「あっ、はい。……あ、あれ素敵ですね!ちょっと見せてもらってもいいですか?」



「少々お待ちください」



だけど私の好みで選んだって、唯子さんが気に入るとは限らないし。

瀬名くんの病室にいるのをチラッと見ただけだけど、

可愛らしい感じの女性だったかな。

甘くてラブリーな感じのデザインがいいのかも。



「こちらは七号サイズですが、お試しになられますか?」



えっと、唯子さんのサイズは何号だろう。



「瀬名くん!ちょっとこっちに来て!」



離れた場所にいた瀬名くんを呼ぶ。

何やってんの、大事なプレゼントを選ばないといけないというのに。



「ねえ、唯子さんの指のサイズは?こんなデザインどうかな」



女性らしい華やかなデザインのリング。

私のイメージとしては、結婚指輪は普段つけるものだからシンプルであまり飾りがないもの。

婚約指輪はゴージャスなイメージだ。



「どれどれ……。もしかしてコレ?あーだめだめ。唯子は見た目は可愛い系でキラキラした物ば好みそうけど、実際は派手な物は好きじゃなかっさ。すみません、もっと落ち着いた感じのやつありますか?」



なによ、唯子さんの好きそうなデザインとかちゃんと把握してるじゃない。



結局、瀬名くんが候補に決めた三つの中から、私が勧めたのとは別のデザインの指輪に決定。

私、なにか役に立てたんだろうか……。



「あー無事に買えて良かった。ありがとな生田。じゃあこれお前に預けとくけん、よろしく」



私なんかがそんな大事な指輪を預かってもいいのかな。

でも福岡で唯子さんに渡すように頼まれたんだし、きちんと役目を果たさないとね。



「分かりました。大事にお預かりします」



「ぷっ。なんで突然敬語?ちょっとスタバにでも……」



ランチは奢ってもらったから、今度は私がご馳走してあげようかな。

なんて思っていた私の目の前に現れたのは……。



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