いつか、きっと。
瀬名くんが唯子さんのために買った大切な贈り物。

私が預かっていたために、紙袋がちょっと折れ曲がってしまった。

友也から力強く抱きしめられていたせいで、ぎゅーっと押し潰されていたから。

せっかくのプレゼントなのに……。

ごめんね瀬名くん。



「しょんなかな。アイツは話せば分かってくれるやろうけんよか。生田、それやっぱり俺が自分で渡す。ってことで……邪魔者は消えるけん、あとは二人きりでお好きなようにどうぞ」



私が持っていた指輪が入った紙袋をさっと取り上げ、瀬名くんはさっさと立ち去っていった。







携帯で調べた休日診療の病院は、駅前から近い場所にあった。

病院の駐車場があるかどうか分からないし、わざわざ車を動かさなくてもいいだろうと歩いて行くことに。



「痛か?やっぱり痛かったやろ?」



歩くのもしんどいんじゃないかと思って聞いたけど、友也は意外とけろっとしていた。

私に心配させまいと平気なフリしていたのかも知れないけど。



病院では背中の擦り傷の手当てと、背骨のレントゲン撮影をしてもらった。

私のせいで怪我させてしまったし、きちんと診てもらいたかったから、私が押しきる形になった。



「骨は、大丈夫やね。擦り傷と打撲で全治二週間ってとこかな」



背骨には異常がなかったようでとりあえずホッとした。

背中の皮が擦りむけたり出血しているのは痛々しいけど、消毒したあと薬を塗ってもらったから一安心。



病院を出た私たちはまた歩いてアミュプラザの駐車場まで戻ってきた。

車の運転も、シートを後ろに倒して背中に当たらないようにしていたから、痛がらずに済んだようだ。



車は私たちが住んでいるMアパートへと向かっている。

移動中の車内でも私たちはお互いの気になっていたことを話した。

この二ヶ月、ほとんどコンタクトを取ることもなかった私たちだから、話すべきことは山ほどある。



まず驚いたのは、私の福岡行きを友也が知っていたこと。

おばちゃんは佐世保出張だと思っていたようだから、うちの両親ではないはず。

友也が宿泊学習の下見で外泊していたあの日、電話でおばちゃんから私の出張について聞かされたらしい。

その直後、瀬名くんからの電話で出張先が佐世保じゃなく福岡だと知ったようだ。



「明日美から聞きたかったけどな、本当は」



「言うつもりやったとけどね……。電話した時に」




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