いつか、きっと。
おばちゃんや瀬名くんとは電話で喋ったくせに、どうして私からの電話には出てくれずに切ってしまったのかと問い詰めた。

あの時のショックは忘れられない。

私がどんな気持ちで友也に電話をかけたと思っているのだろうか。



「その事に関しては完全に俺が悪かったと思っとる。本当にごめん。実はあん時、母ちゃんと瀬名から立て続けに電話かかってきてさ。その後すぐ風呂に行って、戻ったら電池切れやった。充電器ば持ってきとらんかったけん充電切れたまま、明日美ば駅まで送った。明日美からの着信に気付いたとは、家に帰って充電器に繋いだとき」



「充電切れって。じゃあ私が呼び出し音ば鳴らしよるうちに切れたってこと?」



私からの着信と分かってて切ったわけじゃなかったの?

車で駅まで送ってくれた時は充電切れたままだったんだ。



「そうやろうと思う。明日美からしてみれば俺がぶっちぎったと思われても仕方なかよな。明日美から拒否られても文句は言えん。俺と別れた後、ずっと携帯の電源切っとったやろ?何度もかけてみたけど、繋がらんかったし」



だってあの時は誰とも話したくなかったし。

でも今日からはまた充電しよう。



「そっか。充電切れるって、どがんタイミングやったとやろ。友也も意外とドジなところあっとね」



もしもあの時電話が繋がっていたら、私は友也に何を言ったのだろう。

ちゃんと自分の素直な気持ちを伝えられていただろうか。

そこで気持ちを伝えられたとして、友也はどんな反応をしてくれたのか……。

今更そんなタラレバ言っても仕方がないことだけど。

どうもしなくてもいい寄り道をしてきたような気がして、自分で自分がもどかしい。



電話が繋がらなかった真相が明らかになったところで、私たちの住むMアパートに到着。



「明日美、できれば今日のうちに生田家にお邪魔したかと思っとるけど。その前に俺ん家で二人で話そう」



車を駐車場に停めながら友也が私に向かって言った。

話をするのは勿論だけど、その前に自分の家に帰るつもりだったから驚いてしまった。



「えっ、私一度お母さんに帰ったことを知らせないと……」



「ダメだ。悪かけどそいは後回し。俺のために時間作ってくれるって約束したろ?」



それは確かに私が約束したことになるんだよね。

あの時はこんなことになるなんて想像もできなかったけど。



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