いつか、きっと。
「……分かった。じゃあ、ちょっと待って」



家に帰れないのなら、せめてメールくらいはしとこう。

私個人の携帯はまだ電源を切ったまま、福岡のアパートに置いてきた。

今の私の連絡手段はこの会社から支給されている携帯しかない。

お母さんにはこの携帯で連絡をするようにしているから大丈夫だけど。



"明日美です。帰ってきたけど御子柴さんちで友也と話してから帰ります。待っててね!"



これでよし。

とりあえずお隣にいると知らせておけば安心だよね。

話が終わったらうちにも顔出すつもりなのかな、友也。

さっき私のこと『好きだ』って言ってくれたけど。

その先も何か言いたげにしていたのは……。

私の勘が正しければ、友也はきっと私に重要なことを告げようとしてくれてたはず。

瀬名くんが教えてくれた、あのこと……。

瀬名くんから聞いたのはノーカウント扱いにしたんだし、友也の口からちゃんと聞かないと。

メールの送信完了を確認して、携帯をバッグに直した。



御子柴家の中に入ると、部屋は静まり返っている。

そのままリビングに向かおうとする友也にすかさず声をかけた。

リビングより友也の部屋がいい。



「そうたいな。じゃ、俺の部屋に行こう」



久しぶりの友也の部屋。

特に何かが変わったわけではないけど、数ヶ月振りだからちょっとだけ懐かしく感じる。

もうここに来ることはないだろうと考えていたのに……。

二ヶ月の間、苦しかったことを思い出すとまだ辛い。



「まずは明日美に謝らんばいけん。ダブルデートから約二ヶ月の間、明日美のことば騙しとった。そのことで明日美のことば傷付けてしもうて、本当に悪かったと思うとる。俺が男としてしっかりしとけば、こがんことにはならんかったとに。全部、俺が悪か。今更何ば言うても許してもらえんかもしれんけど、もう二度と明日美ば悲しませることはせんって誓う。だけん俺にチャンスばくれんか?」



瀬名くんからは何度も友也を『信じてやれ』って言われてきた。

友也が真剣に私と向き合おうとしてくれているのは分かるけど。

先ずは一番気になるあのこと、聞いてもいいかな。



「未来から脅されとったって本当?友也が私に隠しとることのあって、それば未来に知られたらしかけど。その秘密ば守るために、未来と付き合うフリばしたとやろ。私に嘘ついてまで守りたかった秘密って、なん?」



  

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