いつか、きっと。
「なんとか回避したかったけど、俺の力不足で結局は青柳さんに従わざるをえんかった。何回謝っても足りんけど、本当に悪かった。ごめんな、明日美」



友也も未来に脅されていたから仕方なかったんだよね。

頭を下げて謝る友也の姿からは後悔の念が感じられた。

私も携帯の電源を切り、福岡へ行ってしまったし。

聞く耳を持たなかったのは大人げない対応だったと反省してる。



「前にも聞いたけど、もう一回聞きたかことのあると。あのダブルデートのあと、友也から連絡してくれんかったとはなんで?」



未来と付き合うフリをする羽目になった経緯については分かったけど、それにしても連絡くれても良かったんじゃないかな。



「インフルで明日美が苦しんどるとに何もしてやれんかったな。俺が代わってやりたかったけど、結局契約に縛られて身動き取れんかった。契約っていうとは、俺と青柳さんが付き合うフリばするっていうことけど、その中に俺からは明日美に連絡せんっていうとも含まれとった」



やっぱり、未来から禁止されてたんだ。

もしかしたら友也から裏切られるかもしれないと警戒したのか。

私に対する不信感もあっただろうし。



「青柳さんと俺はあくまで"付き合うフリ"やったけん、契約ば交わしてからも一切連絡取り合ったりしとらん。明日美へのカミングアウトは青柳さんに任せとったし。俺が明日美に何か言おうとして矛盾の出てきたら困るけんやろう。そいけん俺からメールも電話もできんかった。これが本当の理由」



「じゃあ、車に乗せてくれたとはなんで?私なんか無視してもよかったんじゃなかと」



私がファミレスの前に立っていたのをたまたま見かけたんだろうけど。

だけど私は友也に気付いていなかったし、知らんぷりだってできたはずだ。

連絡してきた訳ではないけど、ギリギリアウトじゃない?

友也の方から声をかけてきたんだから。



「俺が明日美ば無視できるわけなか。雨降りよったし、傘持っとらんやったし。あれは俺から連絡したわけじゃなかけんセーフばい。それに一人でファミレスとか来るはずなかろ。てことは青柳さんから話ば聞いたとやろうなって推測できた。どの道俺は明日美ば放っておけんかった」



私から未来とのことを問い詰められるのも覚悟の上だったのかな。

未来との契約をどこまで尊重すべきか、友也も悩んでいたんだよね、きっと。


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