いつか、きっと。
私がまた福岡に戻ることを知ったら、求婚してくれなくなってしまうんじゃないかな。

せっかく友也が決意してくれてるかもしれないのに、邪魔するのは本意じゃない。

もしかしたらそろそろ……来る?



「明日美、まだ他にも聞きたかことあるやろうけど、このまま続けよったら夜ば明かしてしまいそうやけんさ。多分明日美が一番知りたかったこと、教えるけん」



ほらっ!

顔つきが心なしかさっきより真剣じゃない?



「未来に知られてしもうた友也の秘密?それば私にバラされたくなかったけん未来と付き合うフリばせんばごとなったとよね。瀬名くんも知っとったみたいやし、私だけ知らんってなんか嫌やったと。だけんどうしても友也の口から聞きたかった」



実はちょっと瀬名くんから聞かされてしまったけど、友也の口から聞きたいのは本当。

なんだかドキドキしてきた。



「俺には昔から自分の人生についての理想っていうか、プランみたいなもんのあって。その人生プランば忠実に守ろうと必死やった。それで今からそのプランの中の一つば実行したかと思うとるとけど……。よかかな?」



「ふえっ!実行するって…………なんば?」 



人生プランって、瀬名くんみたいなこと言うのね。

やだ今は瀬名くんのことなんてどうでもいい。

友也のプランをぶち壊すことになるかもしれないと思うと、ちょっと気が引けるけど。

友也より先に、私から言ってやるんだから。

"邪魔するのは本意じゃない"とか思った癖にね。



「明日美……。もう一回言うけど、俺は明日美のことが好きだ。初めて公園で会ったあの日からずっと。この二ヶ月、明日美と一緒におられんごとなってしもうて辛かった。自業自得とはいえ、俺はなんのために生きとるとか分からんごとなっとった。明日美がそばにおってくれんば生きていかれんばい俺は。だけんもう二度と離しとうなか。明日美……け」



「とっ、友也っ!あ、あのねっ!!」



『結婚』というワードをギリギリのところで寸止めた。

歩道橋の下で友也の口を塞いで止めた時みたいに、落胆の表情……。

『またか!勘弁してくれ』と言わんばかりだ。



「ごめんけど今大事かとこやし、もうちょっと待っとってくれよ」



だよね今から言おうとしてることって、相当の覚悟と決意が必要だもんね。

だけど私だってそうよ。

友也を遮ってでも私から言いたい。



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