いつか、きっと。
「痛てててててててててっ!!」



しまった!

あんまり嬉しくて力任せに飛び付いてしまった。

これではいくらなんでも受け止めきれないに決まっている。



「友也っ大丈夫!?」



私が友也を思いっきり押し倒してしまったから、傷を負っている背中が更に痛みを増したに違いない。

私のせいで怪我してるのに、私ったら……。

急いで腕を引き、友也の体を起こしてあげた。



「はあっ。俺はな、明日美に告るとはプロポーズするときって決めとったとぞ。それば明日美にバラされとうなかったけん、青柳さんの言いなりになってしもうた。でも結局ダメダメやったな俺。人生なんて思い通りにいかんことの方が多かったりすっとかな!」



「だけんフリやったと……。告ってもおらんとに付き合うわけにいかんかったってことね。だけん私にも言わせんかったとやろ?」



じゃあ私はプロポーズされるまでずっと偽者彼女の予定だったんだ。

…………長すぎじゃない?

私よく我慢できたよね。

私じゃなきゃ無理だと思うよ。



「ごめんな。本当はもっと(はよ)う求婚したかったけど、仕事のこととか、貯金とか。男としてのプライドもあるし」



友也、私との将来についてかなり早いうちから考えてくれていたみたい。

中学卒業のときに『高校生のうちは彼女作らん』って誓ってくれた時にはもう人生プランは完成していたんじゃないかな。

だけどもうそのプランは友也ひとりだけのものじゃなくなった。

私も一緒に築いていく、二人のプランでなきゃ。



「私だって仕事してるんだし、貯金だって少しはあるよ。一緒に幸せになるんだったら、二人で頑張らんばいかんやろ。私ずっと仕事続けたかと思うし。あっ……」



さすがにもう黙っているわけにはいかないよね。

プロポーズしてくれたんだし、正直に言わないと。

反応が怖くてチラチラと顔色を窺うと、不思議そうに私を見ている友也。



「どがんした?俺は明日美が仕事続けたかなら反対せんけど」



「えっ、あ、そう?ありがとう。……っていうか、そうじゃなくて。私まだしばらくは帰って来れんとやった。あんまり嬉しすぎて忘れるとこやったけど」



福岡に発った時はこうなることを予測できなかった。

仕事を頑張ってスキルアップして……。

友也とは親友に戻れるように努力するつもりだった。



まだ理解できていないよね、友也。



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