いつか、きっと。
「私たちのことは気にせんでよかとよ。明日美が私たちに本当のことば言いとうなかった気持ちも分かるし、友也くんが先のことまで考えてくれとったことも嬉しかったし。あとは二人の気持ちが大事やけん。ね、お父さん」



お母さん、言わないだけで本当はいろいろと心配してくれたり気を揉んでたりしたんだろうな。

もちろん、お父さんも……。

お母さんから話を振られ、やっとお父さんも口を開いた。



「あの時、友也から将来のプランまで聞かされて、真剣な気持ちのよう分かった。けど、肝心の明日美は蚊帳の外やったろ。そいけんあん時は約束できんかった。こうして二人揃って来たってことは、そういうことか?友也」



やっぱり…………。

かなり早いうちからできていたんだね。

友也の人生プラン。

その存在を私が知ったのは、ついさっきのこと。

だけどお父さんとお母さんは高校生の頃には友也から打ち明けられていたんだ。

何も知らされていない私のことも気遣ってくれていたなんて。



私の両親と友也の三人で行われていた密談。

今ごろになって知ったけど、もう過去の話。

過去より現在(いま)が大事だ。

そうだよね、友也。



「……はい。あの時『改めて許しばもらいに来い』って言われたので、今日また来ました。今度は俺一人の独断ではなく、お互いの気持ちを確認済みです。そうだよな、明日美」



友也が私に同意を求めてきた。

私からも伝えないとね。



「私も友也も同じ気持ちです。私は友也の」



「お父さん、お母さんっ!!」



ああビックリした。

私がまだ喋っている途中だったのに。

お父さんもお母さんも想定外だったようで、私に向けられていた視線が一気に友也に奪われた。



「明日美さんと、結婚させてください!」



お母さんは口を手で隠したけど、目が……ニンマリしてる。

お父さんは一見平静を装っているけど、やっぱり目が……ちょっと潤んでいる。



「私も、友也のお嫁さんになりたい。お願いします!」



友也に倣って私も頭を下げた。

二人の顔が見えなくなってしまったけど、ちゃんと許してもらえるかドキドキしてきた。



「友也、明日美、二人とも顔を上げなさい」



お父さんから促され、顔を上げる。

穏やかな眼差しを向けられ、ジーンと胸が熱くなった。



「今の気持ちば二人とも忘れんごとせろよ。そして……」



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