いつか、きっと。
「友也のご両親にも二人揃って許しばもらいに行くこと。よかか?」



「はい……。そうします」



おじちゃんとおばちゃんは今日は福岡に行っている。

明日には帰ってくるのかな。

私は月曜日の会議に出席した後、会社からそのまま福岡に戻る予定になっている。

すれ違いにならないといいけど。



「さあ!お腹すいたやろ?みんなでご飯食べよう。もう準備はできとるとよ。明日美、配膳するけん手伝って」



「はいっ」









…………なにこれ。

お刺身や唐揚げにサラダ、ピザもある!



「ねぇお母さん。どうしてこんな豪華なメニューなの?」



私が福岡から帰ってきたから?

一週間ぶりの家族団らんだから?



「あら、これだけじゃなかよ。明日美の好きなケーキだってちゃんと用意しとるけんね。友也くんも食べるよね、ケーキ」



「え?ああ食べるよ。友也もケーキは好きやし。いや、そうじゃなくて……。まるで最初っから分かっとったような」



言いかけてお母さんの顔を見たら、ニヤニヤして楽しそうだった。

そう言えばさっき友也は、私が福岡に行った後でもここに来たと言っていたような気がする。

また密談?



「友也くんには『明日美には言わんけん』って言うたけど……。よかよね?もう時効やろ」



なんだかすっごく気になるけど、私が聞いていいの?

多分、私が福岡に行った後のことでしょ。

時効だなんて、まだ一週間もたってないよお母さん。



「友也くんね、明日美ば駅まで送ってくれた日の夜にうちに来たと。明日美は友也くんのことなんも言わんかったろ?本当は付き合う"フリ"やったこと以外はなんも。私たちに心配させんごとしたかったとやろうけど」



そう、お母さんやお父さんに心配かけたくなかった。

でもそれだけじゃない。

誰かに話してしまえば、悪夢のような辛い出来事を現実として受け止めないといけなくなるから。

私はまだ心のどこかで期待していたのかもしれない。

悪夢からさめて、友也と両想いになれることを……。



「でもね明日美、本当は話して欲しかったとよ。親として一緒に悩んだり苦しんだりしたかった。明日美ひとりで辛かったね。友也くんから今までの二人のこと、聞かせてもろうたよ。未来ちゃんのことも全部」



「えっ、未来のことまで?友也ってば」



私の婚約者は、ニュースを見ながらお父さんと雑談中。




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