いつか、きっと。
「え?ああ、そうかなぁ。今夜は父ちゃんも母ちゃんもおらんし……あのさぁ……」



な、なに……?

もしかして誘ってる?

私、なんて言ったらいいの。



「い、いや!やっぱダメやろ!俺の信念ば曲げるわけにはいかん。いくら絶好のチャンスとはいうても、まだダメやろ…………」



友也ったら、やっぱ酔ってるね。

心の声が駄々漏れしてるよ。

多分気付いてないんだろうけど。



「おい友也っ!ちょっとこっちにこんか。明日は休みやろうが?今夜は男同士、じっくり語り明かそうで」



和室からお父さんが友也を呼んだ。

なんだ、そろそろ寝ちゃうのかと思ったのに。

お父さんにとっては息子同然に可愛いんだろうな、友也が。



「はいはい。今日は泊まり込み覚悟で付き合うけん」



『言うとくけど、明日美の部屋はダメぞ。結婚ば許したけんって婚前交渉は……』



友也、お父さんの元に行っちゃった。

お父さんったら友也にコソコソと何を言ってるんだろう。

この分じゃ今夜は解放してもらえないかもなぁ。

友也は背中を負傷してるし……残念。

だけどうちに泊まるのなら、私の部屋でいいのに。

添い寝くらい……ダメ?



「明日美、お父さんと友也くんの布団ば用意してやって。せっかくお隣さんは留守でチャンスやったとに、残念やろうけど」



ドキッ!

お母さん私の心を読んだみたい……。

ビックリして言葉が出ない私に、更に続けて言った。



「友也くん、明日美に一目惚れやったとってね。ずっと一途に想ってくれたなんて、あんた幸せよ」



「でもそれば聞いたとはほんの数時間前けどね」



確かに一目惚れやったと言ってくれたよ。

でもさ、私よりも先にお母さんが知ってたなんて。



「高校生の頃、明日美と付き合うって報告に来てくれて。そん時に『なんでフリかな』って聞いたとよ。そしたらね友也くん『明日美に好きって思いを告げるのは、プロポーズする時』って決めとるって。だけんまだあの時はフリしかできんやったとね」



「それはもうよかとけど……。友也はいつから私と結婚したいと思うようになったとやろ?」



私は偽者彼女だった頃から、友也が私をお嫁さんにもらってくれんかなって思うようになってた。

少なくとも私より先なんだろうけど……。

結婚なんて人生の一大事だし、簡単には決められない。

友也の人生プランはいつから?



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