課長の瞳で凍死します ～羽村の受難～

「うちの母親にも私の呑み友だちになにをする、と言って殺されそうだしな」

　真湖りん、お姑さんと呑み友だちなんだ……と思いながら、
「今度からは、海にも殺されますよ」
と羽村は言った。

「っていうか、真湖りんを不幸にしたら、まず、僕が許さないですからね」

　そんな話をしばらくしていたら、いきなり、家のチャイムが鳴った。

　ん？　と振り返る。

　海を抱いた真湖が立ち上がり、インターフォンを見に行こうとしたので、雅喜より先に立ち上がった。

「いいよ。
　僕が見てきてあげるよ」

　まだ退院して帰ったばかりの真湖をウロウロさせたくないのもあったし。

　なにか――

　予感があったからだ。