課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
 三上たちが、どやどやっとやってきた中に、ちんまりと恥ずかしそうに雪乃も居た。

「赤くない赤ずきんちゃんを拾ってきたよー」
と白いコートを着た雪乃を見て、三上は言う。

 確かに。
 赤くはないが、赤ずきんっちゃんぽい。

 いや、自ら、オオカミの腹に飛び込んでいく赤ずきんちゃんだが……と思いながら、眺めていた真湖は気づいた。

 ん?
 羽村さんと電話で話したのさっきだけど。

 もうこの下に居たってことは、雪乃さん、何処に居たんだろ?

 ……ユズリハより、この人がホラーだ、と苦笑いしながら、
「どうぞ、もう用意できてますよー。
 ……課長が」
とせっせと鍋の準備をする雅喜を振り返り、真湖は言った。







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