課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
「小説みたいになってるんですよ。
 いろんな人とのハッピーエンドが見られるルートがあるらしいです」
と言うと、案の定、

「くだらんな」
とスマホを見ながら言ってくる。

 言うと思ったー、とうっかりしゃべってしまったことを後悔していると、雅喜は、スマホを見たまま、言ってきた。

「いろんな奴と付き合ってみてどうする。
 俺なら人生何度やり直しても、お前としか結婚しない。

 意味ないだろ」

「か……課長っ」

「お前、いつまで、課長と……」
と振り向きかけた雅喜に抱きつき、海がつぶれかけて、おっとっとっ、となりながら、真湖は叫んだ。

「課長っ、好きですっ!」

「今、好きになったのか」
と真顔で雅喜は言ってくる。
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