課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
 雪乃は固まったように動かない。

 らしくもなく、離れたら、なんて言おうかな、と思った瞬間、カッ、と眩しいライトに照らされていた。

 少し後ろを走っていた車が、ライトを上げたようだった。

 その見覚えのある車に、羽村は叫ぶ。

「だから、何処から湧いてきたんですかっ」

 雪乃の伯父、隆雄(たかお)の車だった。

 過保護もいいとこだ……。

 やっぱり、前途多難そうだ……と思いながら、少し遅れて伴走してくる隆雄の車を見ないようにして歩き出す。

 なにが起きたか、まだ理解できないらしい雪乃は機械的に横を歩いていた。

 そんな姿を可愛いと思いながら、羽村は言ってみる。

「そうだ。
 やっぱり、見合いしてみようか」

 えっ? と雪乃がこちらを見上げた。
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