【放浪恋愛】アリョーナの旅路~ソッフィオーネを鳴らすまで
第13話
それから数日後のことであった…

エバンストンにあるマーティーさんの家にて…

マーティーさんの家は、同じ屋根の下で67歳の母親と65歳の父親とマーティーさんの3人が暮らしていた…

マーティーさんは、職場と家庭の間を往復する日々を送っていた…

「ただいま。」

ネイビーのスーツ姿で、黒の手提げのバッグを持っているマーティーさんは、ふてくされた声で『ただいま。』と言った後、ダイニングへ向かった…

冷蔵庫の中からバドワイザーの500ミリリットルの缶を3本取り出して、疲れた表情で自分の部屋へ行った…

ダイニングのテーブルでくつろいでいたマーティーさんの両親は、心配そうな表情でこんな会話をしていた…

「あなた…そろそろマーティーのお嫁さんのことをシンケンに考えてあげないと…」
「またマーティーの結婚の話か…そんな話をわしの前でするなど言ってるだろ…」
「あなた、いつまでも逃げてばかりいないでマーティーの結婚問題にきちんと向き合ってよ!!」
「逃げてなんかいないよぉ…」
「それじゃあ、アタシの話を聞いてよ!!」
「分かってるよ…だけどまた今度にしてくれ…」
「また今度にしてくれってあなたは言うけど、いつ頃になったらマーティーの結婚の話をするのよ!!」

母親の言葉に対して、父親はつらそうな声で『頭がいたい…目まいがする…』と言うて、マーティーさんの結婚問題から目をそらしていた…

マーティーさんのお母さまは、イラついた声でこう言うた…

「あなた!!今のマーティーの年齢では条件が少しずつ悪くなって行くのよ!!マーティーにお嫁さんが来なくなったら、困るのは私たち夫婦なのよ!!」

それなのに、お父さまは『頭が痛い、目まいがする…』と言うて逃げていたので、お母さまは思いきりキレてしまった…

「もういいわよ!!あなたがそんなに言うのであれば、マーティーの結婚はやめるから…私たちの孫もいらないと言うのであれば、あきらめるから…なんなのかしらあんたは一体!!そんなに頭が痛い目まいがすると言うのであれば、あんたはマーティーの結婚の話に入らないでください!!分かっているのかしらねイリムコバカテイシュ!!」

マーティーさんの両親は、家のとなり近所のお子さまや家の親族の子の結婚や婚約が決まった話は楽しくしているけど、マーティーさんの結婚問題になると、怒鳴りあいのケンカになってしまう…

マーティーさんのお父さまがマーティーさんの結婚問題に真剣に向き合おうとしないことが、ケンカの原因になっていると思う…

マーティーさんは38歳で、もうすぐ40代になろうとしていた時であった…

マーティーさんは、40歳を目前にして、今後の人生設計を見直さなくてはならない時期に来ていた…

結婚したいのに、結婚相手に出会う機会がないまま職場と家庭の往復だけの暮らしをしていたから、マーティーさんの気持ちはヒヘイしていた…

マーティーさんは、大学を卒業して、総合商社に入社をしてからずっとシカゴにある本社のオフィスに在籍で、16年間苦情受付係りのお仕事ばかりを続けていた…

大学やハイスクール時代の交遊関係については、親しい友人知人はひとりもいなかった…

親しい友人知人がいなかったので、ガールフレンドと出会う機会もなかった…

そんなマーティーさんに、ようやくお見合いの機会がめぐってきたけど、マーティーさんの気持ちがお見合いに向いていなかったので、精神的にイライラしていた…

9月18日の昼頃のことでありました。

マーティーさんが勤務している職場の近くにあるフィルスファニーズ437ラッシュ(イタリアンステーキの店)にて…

マーティーさんがひとりで1食5ドル50セントのランチセットでお昼ごはんを摂っている時であった…

この時、マーティーさんが座っている席に同じ会社のOLさんのメアリーさんがやって来ました。

「メアリー。」
「マーティーさん、ここに座ってもいいですか?」

メアリーさんは、にこやかな表情でマーティーさんに声をかけた後、マーティーさんの向かいの席に座りました。

メアリーさんは、マーティーさんが勤めている同じ会社の販売企画部のOLさんでありました。

カノジョは、社内恋愛で知り合ったカレと婚約をして、10月4日の予定で結婚をすることが決まっていました。

メアリーさんは、にこやかな声でマーティーさんに社内恋愛で知り合ったカレと挙式披露宴を挙げることを報告した…

けれども、マーティーさんは気乗りのない声でメアリーさんに言うていた…

「おめでとう…メアリーならいいお嫁さんになれるよ…」
「うれしい。」

マーティーさんは、メアリーさんの結婚をおめでとうと言うた…

けれど、マーティーさんは心のどこかでさみしさを感じていた…

それから二時間後のことでありました。

マーティーさんは、いつも通りに顧客からかかってきたクレームの電話の応対のお仕事をしていた…

マーティーさんは、大学卒業後に総合商社へ入社をしてからずっとシカゴの本社勤務で、クレームの応対の仕事だけに集中していたので、結婚相手に出会う機会もなく職場と家庭の往復だけの暮らしを16年間続けていた…

メアリーさんについては、マーティーさんは好きと言う感情や恋をしてみたいと言う思いはまったくなかった…

けれど、メアリーさんのようなお嫁さんがほしいなと言う気持ちはあったと思う…

マーティーさんはこの時、心のどこかで負い目を感じていた…

メアリーさんの婚約者の男性の収入とマーティーさんの収入を比べてみると、メアリーさんの婚約者の男性の収入は年収が50万ドルであるのに対して、マーティーさんはどんなにがんばってもお給料は950ドルのまま…

たぶん、マーティーさんはお給料が少ないから結婚ができないと思っている…

マーティーさんの仕事が一段落ついた時であった…

マーティーさんは、社長さんに呼び出されていたので、社長室に行った…

この時に、社長さんはマーティーさんにアタシとのお見合いの話がありました。

社長室にて…

社長さんとマーティーさんは、こんな会話をしていました。

「マーティーさん、マーティーさんは大学を卒業してわが社に入社をしてから、16年間シカゴの本社に居続けてクレーム対応のお仕事をがんばって続けていたから、そろそろどうにかしてあげようと思っているのだよ…」
「社長、今度は本当なのでしょうねぇ…」

マーティーさんは、社長さんにやや冷めた声で言うたので、社長さんは『どう言うことなのだね?ワシがウソをついていると思っているのか?』と言い返した…

だからマーティーさんは、社長さんにこう言い返していた…

「前の時は、通勤手当てを加えてあげようかと言っておいて、1セントも手当てを出さなかった…どうしてそうやってウソをつくのでしょうかねぇ…」

マーティーさんが冷めた声で言うていたので、社長さんは開きなおった声でこう言いました。

「悪かったよぉ…あの時はフケーキ(不景気)だったから、会社があまりもうかっていなかったのだよぅ。」
「また今回も、同じようなことをするおつもりなのですね。」
「マーティーさん…今度はきちんと約束を守るから…今回は結婚相手に出会えるチャンスを作ってあげようかと思っているのだよぉ…」
「本当でしょうか?」

マーティーさんは、ますます冷めた声で言いましたので、社長さんは困った声でマーティーさんにこう言うた…

「何だよぉ…その言い方は…マーティーさんは、自分に結婚ができるチャンスが回ってきたことがうれしくないのね!?」
「社長、この会社では…社内恋愛しているスタッフさんたちはいますよねぇ…」
「いるけれどぉ…」
「どうしてぼくだけは、社内恋愛ができないのでしょうか?ぼくだけは社内恋愛ダメと言っておいて、今ごろになってふざけているわ!!」
「そんなことは言っていないよぉ…マーティーさんの仕事の関係もあったし…それに…マーティーさんは、何もかもがまんしてうちのために働いていたから…本当にどうにかしてあげたいのだよぉ…」
「社長、ひとえに結婚と言うけれども、結婚相手がいない状態でどうやって結婚をするのですか!?無理ですよ!!」
「だから、マーティーさんが社内恋愛をしたくないのなら、よその事業所の女性スタッフさんを紹介すると言うているだろ!!わしを怒らせるな!!今からお見合いの写真を出すから待っていろ!!」

社長さんはマーティーさんに対して『お見合いの写真と釣り書を持って、とっとと出てゆけ!!』と怒鳴りつけたあと、アタシの写真と釣り書を叩きつけた…

マーティーさんは、チッと舌打ちしたあと、社長さんをにらみつけていた…

その日の夜のことでありました。

メアリーさんは、婚約者のカレと一緒にトリビューンタワーの近くにあるおしゃれなカフェレストランに行って、ふたりきりでディナーを摂りながら、挙式披露宴やスイートホームのことなどで楽しくお話し合いをしていました。

その頃、マーティーさんは仕事が終わるといつものように寄り道をすることなくエバンストンにある自宅へまっすぐ帰宅した…

マーティーさんは、いつものように会社から帰宅したあと、両親と言葉を交わすことなくダイニングに行って、冷蔵庫の中からバドワイザーの500ミリリットルの缶ビール2本を取り出して、つかれた表情で『つかれた…しんどい…』と言うて、部屋に入って行った…

いつものように、つかれた表情をして家に帰ってくるマーティーさんを見たマーティーさんのお母さまは、お父さまに怒り気味の声でこう言うた…

「お父さん!!そろそろマーティーの結婚のことを真剣に考えてあげなさいよ!!いつまで逃げて逃げて逃げ回っているつもりなのかしらね!?」
「だから、話を聞いているよぉ…だけどな、ワシは今日の仕事がきつかったからクタクタになっているのだよぉ…ごはんを食べた後だから眠いのだよぉ…」
「ンマア!!何なのかしらその態度は!!もういいわよ!!それなら、マーティーに結婚をあきらめるように言うておくから!!マーティーにお嫁さんが来なくなった時はあんたのせいだと言うことをよーくおぼえておきなさい!!役立たずのバカテイシュ!!」
「なんだよぅ…そんなに言わなくてもいいじゃないかよぉ…あのな、結婚をしたいと言うけれど、結婚をしたら自由に使えるおカネは1セントもないと言うことに気がつけよ!!…わしはリューイ(マーティーさんの弟さん)のことがあったから、マーティーに結婚を待てと言うただけじゃ!!」
「なんでリューイのことを出してくるのかしら!?リューイが19歳で結婚をしたことがそんなにいけないと言うわけなのかしら!?」
「だって、遊びたい時期に結婚したら…遊びに行けないし、自由に使えるおカネは限られるし…」
「お父さんがそんなことばかりを言っているからマーティーは婚期を逃しているのよ!!それじゃ、マーティーには嫁さんは必要ないと言いたいのね!!」
「そんなことは言っていないよぉ…」
「いいえ!!言うているわよ!!」
「言うてないよぉ…わしは、わしらが元気なうちはまだ結婚は必要ないのではと思って…」
「いいわけばかりを言わないでよイリムコバカテイシュ!!もういいわよ!!やめにするわ!!あんたはアタシの言うことに小うるさくハンロンばかりしているから、アタシは頭に来ているのよ!!あんたの言い分はよくわかりました!!マーティーに結婚あきらめるように言うておきます!!…マーティーにお嫁さんが来なくなった原因を作っておいて、あんたはサイテーサイアクの大バカテイシュね!!フン!!」

マーティーさんのお母さまはお父さまにこう言うて背中を向けたあと、ドスドスと足音を立ててイカクしながらダイニングから立ち去っていった…

マーティーさんの両親は、マーティーさんの結婚に全く関心がないので、いつものようにひどい大ゲンカばかりが起きていた…

マーティーさんの結婚に関心がない一番の原因は、マーティーさんの弟さんが19歳で同い年の女性と結婚(デキ婚であった)をしたと言う出来事があったと言う…

マーティーさんの弟さんが遊びたい時期に結婚をしたから、自由に使えるおカネと時間がなくなった…

マーティーさんのお父さまは、くり返して言っていた…

マーティーさんのお母さまは、お父さまが真剣にマーティーさんの結婚問題に向き合おうとしない態度にいらだちをつのらせていたので、夫婦間の人間関係も極力かんばしくない状況にあったと思う…

ショージキ言うて、こんなギスギスした気持ちの中でアタシがお見合いをしても、あまりいい印象はないとアタシは思っていた…

そんなギスギスした気持ちとわだかまりを抱えたまま、アタシは9月21日にマーティーさんとお見合いをすることになった…

マーティーさんとお見合いをする場所は、リンカーンパークの近くにある高級レストランで、時間は正午からとなっていた…

アタシはこの日、朝方のバイトのホテルのアメニティのお仕事を終えて、着替えをすませた後に急いでお見合いが行われるレストランまで行った…

アタシは、今回のお見合いもまた着て行く服がないので、オゲレツなかっこうで行くことにした…

この時のアタシの服装は、黒のデニムのトップスの上から白のブラウスをはおって、ボタンはひとつだけ止めて、下はネイビーのデニムパンツをはいて、足元はリボンがついているサンダルをはいて、赤茶色のバッグを持ってお見合いの場所へ向かっていた…

アタシは、正午になる5分前にレストランに到着をした…

この時、社長さんがアタシの応対をしていた…

「アリョーナさん、お待ちしていま…ちょっとアリョーナさん…」

社長さんは、アタシの服装を見たとたんにびっくりしていた…

アタシの衣服が、スケスケのブラウスでボタンを真ん中のひとつしか止めていない姿をみたので、社長さんはどこかのナイトクラブの女がきたのだと思っていた…

あのねぇ…

アタシはこれしか…

着て行く服がなかったのよ…

結局、アタシとマーティーさんのお見合いは空気が淀んでいる中で始まった…

さて、アタシとマーティーさんのお見合いは雰囲気が淀んでいる中で行われていたので、マーティーさんの表情は硬く(かたく)なっていた…

アタシとマーティーさんは、会話がゼンゼン進んでいなかった…

社長さんの奥さまは『まあまあ、そんなに硬い表情にならないで、ふたりでお話をなされてはどうでしょうか?』と優しく言うた…

けれど、ふたりとも口を閉ざしたままになっていた…

社長さんの奥さまの言葉に対して、マーティーさんは『早くごはんが食べたいのだよぉ…』と気だるい声で言うたので、お見合いの雰囲気がますます淀んでいた…

そして、料理がテーブルに運ばれてきたけど、マーティーさんは出された料理をガツガツと食べて『あー、ごちそうさんでした…』と言いましてから、社長さんに冷めた声で言うた…

「社長さん…もういいでしょ…もう眠くなったので、帰ります…ここの支払い…よろしく…」

マーティーさんは、すぐに帰ろうとしていたけど、社長さんはマーティーさんを止めたあと、こう言うていた…

「マーティーさん!!どうして急に帰ろうとするのだ!?アリョーナさんはどうするのだ!?」

社長さんがマーティーさんにこう言うたので、マーティーさんはムッとした表情で社長さんにこう言い返した…

「社長!!これはどういうことなのですか!?ぼくはお見合いを頼んだおぼえはありませんけれど!!」
「マーティーさん!!どうしてそんなことを言うのだね!!マーティーさんはお嫁さんは欲しくないのかね!?」

マーティーさんは、社長さんからの問いに対して、マーティーさんは『さあ、オレそんなこと言うたかな~』と居直った口調で答えていた…

「マーティーさん!!それじゃあ、今回のお見合いは受けないと言いたいのだな!!ああ、ほんとうに情けない!!」

社長さんは、マーティーさんにとがった声で言うた…

そしたらマーティーさんは、なおも居直った口調で、社長さんにこう言い返していた…

「社長、社のみんなは社内恋愛をして、次々と結婚が決まっている中で、どうしてぼくだけは社内恋愛ができなかったのですか!?」
「マーティーさん!!何を言うのだね!!マーティーさんはお嫁さんがほしい時期に会社のためにがまんをして働いて下さったのだから、そろそろチャンスを与えてあげたいと思って何から何までセッティングしてあげたと言うのに…私の厚意をけかえすと言うことなのか!!」

社長さんは、やっきになった口調でマーティーさんに怒っていた…

そしたら、マーティーさんはさらに居直った口調で社長さんにこう言い返していた…

「だったらさ、オレが結婚できるようにお給料を上げろよ!!900ドルでどうやって嫁さんを養うのだよ!?どんなにがんばってもお給料が上がらないのをがまんして働いていたのに、1セントも上がらない!!メアリーの婚約者が働いている部署の給料ばかり上げるのだったらこっちにも回せよボケ社長!!」
「マーティーさん、どうして自分のお給料の不満を口にしているのだ!?会社は経営が苦しいのだから…」
「あんたね!!平日にゴルフをするひまがあるのだったら、オレがいる部署の従業員さんの給料を上げろよ!!アメリカの大統領選挙や中間選挙などの政治にべらぼうにかけるカネがあるのなら、従業員さんの生活のことを真剣に考えろよ!!お前は耳が遠いのかよ!!ゴクツブシの大バカ経営者!!」

マーティーさんは、社長さんの胸ぐらを右手で思い切りつかんで、左手でにぎりこぶしを作ってふりあげてしまった…

「マーティーさん!!何をするのだね!?やめたまえ!!」
「ふざけるなよ!!従業員さんのお給料のことを真剣に考えないあんたが全部悪いのだよ!!それと、お見合いをしたいとは言うだけど、オレはあんなつぎはぎだらけの女なんかのぞんでいないのだよ!!あんた、あのオゲレツ女とどんな関係があるのだよ!!なんとか言えよ!!オレはあんなつぎはぎだらけのボロい女なんか死んでもイヤだからな!!」

マーティーさんからつぎはぎだらけのボロい女と言われたので、アタシは思い切りキレてしまった…

アタシは、席を立ち上がって右足でイスをけとばしたあと『キーッ!!よくもアタシのことをボロい女と言うたわね!!悪かったわね!!こんなやさぐれ女で悪かったわね!!アタシ!!帰る!!』怒鳴りつけたあと、赤茶色のバッグを持ってレストランを飛び出してしまった…

何なのよ一体…

お嫁さんが欲しくないのなら、お見合いなんかしないでよ!!

なんなのかしら一体もう!!

だから男なんか大きらい!!

アタシは、レストランから飛び出した後も怒りがおさまらずに怒り続けていた…

結局、アタシとマーティーさんのお見合いは、険悪な状態で終わってしまったので、ふたりとも気持ちがヒヘイしていた…

社長さんは、アタシとマーティーさんのお見合いの次の日にマーティーさんが会社への不満を強めていたので、何とかしてあげなければと思ってオタオタオタオタしていた…

マーティーさんは、自分だけが社内恋愛をすることができないことに強い不満感を抱いていた…

だから社長さんは、少しでもマーティーさんの不満をやわらげてあげようと思っていた…

そこで、アタシとマーティーさんのデートをセッティングしていた…

社長さんは、電話でアタシに『空いている時間帯に、一時間だけでもいいからマーティーさんと会うことはできますか?』と優しい口調で言うた…

しかし、アタシは社長さんに『アタシにセクハラする気なのかしら!!殺すわよ!!』と怒鳴りつけたあと電話をガチャーンと切った…

アタシは、マーティーさん…ううん、超がつくほど男ギライだから、ますます気持ちが硬くなっていた…

ふたりとも気持ちが硬くなっていたので、アタシとマーティーさんの仲はサイアクの状態になっていた…

それなのに、社長さんはアタシにことわりもなく2014年10月4日に挙式の予定を勝手に入れたみたい…

社長さんの一方的な思いは、のちにアタシとマーティーさんの家との間に深刻な対立を生むことになりました。
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