あたしを知らないキミへ


偶然にもアンタと並んだ。

あたしの右隣。

左耳に付いているリングピアスが少しだけ光った。
隣に並ぶとやっぱりアンタはすごく背が高かった。
ほとんど見上げる状態。

だけど、長い時間見ることは出来なかった。

それは、あたしの心臓がもたないから。

遠くでさえすげードキドキすんのに、今じゃアンタはあたしの隣に並んでいる。
とにかく動揺を隠すのに必死だった。

いつもより電車の時間が長く感じた。

ふと、近くいた同じクラスの女の子があたしに話しかけてきた。
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