あたしを知らないキミへ
アンタに出逢うまでは、涙なんかめったに流さなかったのに。

あたしの涙腺、どうしちゃったんだよ。

その涙を勢いよく手で払って、あたしは立ちあがった。

「朋美、そろそろ帰ろっか」
「うん」


気づけば、辺りは薄暗くなっていた。

ワンワン‼

サキを連れてあたし達は、歩き出した。
相変わらず風が心地いい。

「朋美、今日はありがと」
「すっごく楽しかったよ!」
「じゃーまたサキの散歩よろしく」
「もっちろん!」

そう言って朋美は、笑顔で笑った。
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