あたしを知らないキミへ

「突然ごめんね。はい、これ。ハンカチ落としたみたいだったから」

そう言って、あたしに青いハンカチを差し出した美麗先輩。
急いで自分の制服のポケットを確認してみたけど、朝入れておいたハンカチはなかった。
あ、落として美麗先輩が拾ってくれたんだ。


「・・すいません。ありがとうございます」
そして、あたしは美麗先輩からハンカチを受け取った。
「ううん。大丈夫。可愛いハンカチだね」
そう言って、美麗先輩はニコッと笑って歩いて行った。


あたしは、しばらく美麗先輩が歩いて行く姿を眺めていた。

それから、あたしの中で酷い罪悪感が襲った。
申し訳なくて、改めて自分がどんなに嫌な女か思い知らされた。