あたしを知らないキミへ

「朋美の言った通りだった」
「・・え?」

「あたしの親友は、すごく優しくていつも正面からぶつかってきてくれる。恋にはめちゃくちゃ奥手だけど、それでも言いたいこと言える友達があたしにはいるって。恋のことはよく分からないけど、朋美の言ったこと、なんか分かる気がします」

そして、朋美の彼氏は優しい笑みを浮かべた。

「今日伝えに来てくれてありがとうございました。恵美加さんが来てくれたから俺・・目が覚めました。そして、勇気をもらいました。また朋美と話してみます」

「朋美、きっと喜びます」

そして、朋美の彼氏は笑みを浮かべた後、また前を向いて歩き出した。
だけど、一回立ち止まってあたしの方を振り返った。

「さっきは、酷いこと言ってすいませんでした。朋美に恵美加さんみたいな素敵な友達がいてうらやましいです」
朋美の彼氏は優しく笑って、そう言ったんだ。
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