あたしを知らないキミへ
ご飯と一緒にハンバーグも口の中に運ぶ。

「どう?美味しい?」
「うん」
そう言って、ニコッと微笑むお母さん。


「最近学校どう?」
「普通だけど」
きっとお母さんは、前のあたしを心配しているんだろう。

賢斗と別れたり、朋美とケンカしたり・・色んなことが重なって、あたしは本来の自分を見失っていた。
学校に行かなかったり、色んな男と遊んでいた。

「そう。恵美加が前みたいに元気になってよかったわ」
そう言って、お母さんは優しく微笑んだ。
お母さんには、全ての出来事を何も話していなかった。

だけど、お母さんは何も詮索しないで、ずっと見守っていてくれた。
それが、あたしにはすごく救われたんだ。
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