あたしを知らないキミへ
20 あたしを知らないキミへ
あたしが最初で最後の本気の恋をした人・・。

それは、あたしのことを知らない人でした。

キミがあたしの中でいっぱいにならない前に、キミを消し去りたかった。
でも、それは出来なかった。
好きで好きでどうしようもなくて、あたしはキミにだけ大切な時間を使ってしまったくらいに。

他の男の子なんかも目に入らないくらいに、あたしはキミを好きになりすぎてしまった。

高校1年生の時に、あたしは交差点でキミに出逢った。
一目惚れだった。
そしてあたしは、キミに恋をした。

いつキミが現れるか分からないから、その日見かけることが出来ただけで、すごく嬉しくて幸せだった。
嫌なことも頑張れた。
だからキミを遠くから見ているだけでいい・・そう思った。
だけど、人間は欲深い生き物なんだ。
あたしは、それ以上を求めてしまった。

好きになりすぎてしまって、胸が痛かった。
見かけるだけで嬉しかったはずなのに、日に日にあたしはキミを見かけるたびに苦しくなった。

泣いた。
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